どのくらいの頻度で、アーティストステイトメントを書き直せばいいのでしょうか?

アーティストステイトメントには、主に

  1. 自分の作品全体に対してのステイトメント
  2. 一つのプロジェクト、一つのシリーズ、もしくは一つの作品についてのステイトメント

の2種類があります。

1の自分の作品全体に対するアーティストステイトメントは、一度書いてしまうと、次に自分の作風が変わるまでは書きかえる必要がありません。
自分の作風が大きく変わる時が、ステイトメントの書き換え時だといえます。それは、3ヶ月後かもしれないし、10年後になるかもしれませんね。

2の場合、新作ができるたび、新しいプロジェクトに着手するたびに書く必要があります。

とくに、新作ごとに、アイデアやコンセプトの違う作品をつくるアーティストは、一つのステイトメントで全ての作品を説明するのは困難です。このような場合は特に、作品ごとにアーティストステイトメントを書いた方がよいでしょう。

「自分の作品を理解する事」は、誰にとってもとても難しいものです。

多くの場合、一度ステイトメントを書いても、数ヶ月後、または数年後に、「もっとこんな風に説明したらよかったかもしれない」「自分の作品のことが、より深く理解できて来た。古いステイトメントでは、上手くコンセプトを伝えきれてなかった。」などと思い、また書き直したくなるものです。

ステイトメントを書く事は、アーティストが自分の活動を理解し、作品の強みや弱点を認識するのに大変役立つため、欧米の大学などでは、「自分と自分の作品を見つめ直す作業」として、一年に一度くらいはアーティストステイトメントをア書き直すことを勧めています。

多くの場合、ステイトメントを書き直すたびに、アーティストにとっては大きな発見があり、ステイトメントを何度も書き直すことによって、自分の作品をより的確な言葉で表現する、読み手を魅了する説得力のある文章にするというゴールに近づけていくことになります。

私たちも、「質問表」などを利用して、できるだけ、アーティストの潜在的な意図を引き出せるよう、お手伝いします。